
「クラウドオフィスとは?」「クラウドオフィスを活用するメリットは?」などと気になっていませんか。
クラウドオフィスとは、インターネット経由で利用できるオフィス環境のことです。仮想オフィスとも呼ばれ、導入すればリモートワーク環境下でも社員同士のコミュニケーションがとりやすくなります。
本記事では、クラウドオフィスの基礎やメリット・デメリットを詳しく解説します。導入事例やツールの選定方法もまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
クラウドオフィスとは?
クラウドオフィスとは「仮想オフィス」や「バーチャルオフィス」とも呼ばれ、インターネット上で利用できる仮想的なオフィス空間です。インターネットを介して、実際のオフィスにいるかのように働ける環境を提供します。
オンライン空間では、従業員がアバターを用いてコミュニケーションをとったり、自分のアイコンを動かして出勤状況を示したりすることができます。
リモートワークが一般化する中で、社員間のコミュニケーション不足や孤独感の解消に有効な手段としてクラウドオフィスが注目されています。
クラウドオフィスの重要性
クラウドオフィスを導入すれば、場所を問わずに業務を進められるほか、離れたチームとのコミュニケーションの活性化にも役立ちます。従業員のワークライフバランスの向上にもつながるため、多様な働き方のニーズに応えることが可能です。
クラウドオフィスは現代の働き方において新たな価値を提供するもので、競合他社との差異化も図れます。
クラウドオフィスが広まった背景
リモートワークが急に身近になったのは2020年のコロナ禍でした。政府の緊急事態宣言を受け、インフラが整っている企業は原則出社禁止になったり、多くの企業で仕組み化が進んだりするなどメディアでも大きくとりあげられました。
感染対策という必要性に迫られ、急に広まったリモートワーク。働き方の利便性は高い一方で、始まってみるといくつかの課題も指摘されるようになりました。
課題1:コミュニケーションの慢性的な不足
物理的に離れていることで、ちょっとしたコミュニケーション、会話が生まれづらく、組織が活性化しづらい状況に。オンラインでのミーティングやブレストも、多少の遅延がコミュニケーションを阻害し、ストレスを生むきっかけにもなりました。
課題2:一体感や帰属意識が薄れ、生産性が低下する
協働や共創の機会が失われることで、チームワークや組織の一体感が生まれにくい状況に。その結果、自由で創造的なアイデアが生まれにくくなりました。このことでプロジェクトの推進が停滞し、結果的に生産性低下にもつながりました。
課題3:新入社員や中途社員のオンボーディングが難しい
2020年4月以降の新入社員は入社式も、新人研修もオンラインという企業が多くみられました。即戦力を期待された中途社員も現場に出ることも叶わず、社内の人間関係構築も進みづらく、彼らのオンボーディングがなかなかうまくいかない実態がありました。
解決手段として、クラウドオフィスが注目されはじめています。仮想空間にオフィスを作ってデスクや会議室、休憩室など実際のオフィスにある機能を揃えれば、実際に社員がそこに存在しているかのように感じられます。その市場規模は急激に拡大、2020年度の売上金額は3億2,000万円で、前年度から6.4倍の規模となりました。
独立系ITコンサルティング・調査会社の株式会社アイ・ティ・アールが発行する市場調査レポート『ITR Market View:ビジネスチャット市場2021』では、規模はさらに拡大すると予想しています。2021年度には20億、2022年度には45億、2025年度には180億との予測を発表しています。
クラウドオフィスのメリット
クラウドオフィスを導入すれば、従業員の満足度向上につながります。具体的なメリットをまとめると以下のとおりです。
・コミュニケーションがとりやすい
・仕事状況の把握がしやすい
・リモートワークでの孤独解消につながる
・業務効率化につながる
・教育・マネジメントに役立つ
詳しく解説します。
コミュニケーションがとりやすい
クラウドオフィスの環境下では、従業員同士がオンラインで簡単にコミュニケーションをとることが可能です。システムを活用すれば、緊急の問い合わせから日常の雑談まで、さまざまなやり取りが自然とおこなわれるようになります。
直接顔を合わせずとも、リアルタイムでの情報共有や意見交換ができるため、従業員に負担を与えません。気軽にコミュニケーションをとれることから、チーム内の結束力も高まるでしょう。
仕事状況の把握がしやすい
管理者は従業員の勤務状態やプロジェクトの進行状況などの仕事状況をリアルタイムで確認できます。今どんな仕事をしているのか、どこまで作業が進んでいるかを瞬時に把握することが可能です。
プロジェクトの遅延リスクを早期に把握できるため、上司はスケジュール管理がしやすくなります。従業員自身も自分の作業進捗を同僚や上司に明確に示すことができ、モチベーションの向上につながる点もメリットです。
リモートワークでの孤独解消につながる
クラウドオフィスは仮想空間上で同僚や上司との交流の場を提供し、リモートワークでの孤独解消につなげます。
社員同士が気軽に情報交換をおこなえる環境を整えれば、チームの一体感を保てるでしょう。リモートワーク中の孤独感は、従業員の仕事への意欲や満足度に影響を及ぼすおそれがあるため注意が必要です。
業務効率化につながる
クラウドオフィスの利用は、業務効率化につながります。たとえば、オンライン会議を急遽開きたい場合、クラウドオフィスを活用すれば即座に開催可能です。
また、ドキュメントのオンライン共有や同時編集機能などを活用すれば、作業の重複がなくなり、スムーズなプロジェクト進行が見込めます。物理的な移動時間が不要となり、作業に集中できる時間が増える点もメリットです。
教育・マネジメントに役立つ
社員の教育や継続的なスキルアップ、チームマネジメントにおいてもクラウドオフィスはメリットを提供します。オンラインでアクセス可能なトレーニング資料やマニュアルを用意すれば、従業員が自ら学び、成長する機会を増やせます。
また、オンラインミーティングを通じて、従業員の成果や成長を適切に評価することも可能です。仕事の進み具合や従業員同士のやり取りをみて、フィードバックも提供できます。
クラウドオフィスのデメリット
クラウドオフィスの導入は企業にさまざまなメリットを提供しますが、以下のデメリットも存在します。
・利用にはコストがかかる
・社員が使いこなせない可能性もある
・監視される感覚に陥る
詳しく解説します。
利用にはコストがかかる
クラウドオフィス環境を構築するには、導入するツールなどの初期費用や月額使用料が必要になるケースが一般的です。とくに、高度な機能を備えたツールを利用する場合、高額な費用が発生することもあります。
また、従業員一人ひとりに対するライセンス料が必要な場合、コストは企業規模に比例して大きくなるため注意が必要です。コストを抑えつつ効果的なツールを選択するには、事前に機能と料金を比較検討する必要があります。
社員が使いこなせない可能性もある
クラウドオフィスを実現するためのツールは多機能で複雑なものも多く、ITスキルに自信のない社員にとっては使いこなすまでに時間がかかることもあります。定着するまでにかなりの時間を費やしてしまうと、作業の効率化どころか、かえって業務の遅延を招く場合もあるため注意が必要です。
そのため、マニュアルやサポート体制が整っているかの確認は欠かせません。事前に使いやすいツールかどうか、どのような機能が備わっているかを把握しておくことが大切です。
監視される感覚に陥る
効率的な業務遂行や管理が期待できるクラウドオフィスですが、従業員が常に監視されているように感じる点はデメリットにもなり得ます。
クラウドオフィスでは、従業員の在席状況や作業状況が透明化されます。リモートワークでプライベートな空間にて仕事をしている場合、監視される感覚はストレスの原因になりかねません。社員のプライバシーを尊重しつつ、必要な情報の共有だけに留めるといったバランスの取り方が求められます。
効果的なリモートワークの導入事例
クラウドオフィスを導入するには、まず社員がリモートでも問題なく仕事をおこなえたり、リモートワークをおこなう社員をサポートできる環境が必要になります。ここでは、実際に快適なリモートワークを実現するために、リモートデスクトップアプリや、VR空間を構築するツールを導入した企業の事例を紹介します。
セキュリティと利便性の高いリモート環境の構築
グリー株式会社では、従業員により良いリモートワーク環境を提供するため、リモートデスクトップアプリ『Splashtop』を導入しました。導入の決め手は、リモートワークで働ける環境を構築してほしいという現場からの強い要望と、Splashtopの管理のしやすさです。
リモートワーク導入時のセキュリティ懸念は、画面ロックがしっかりとかけられてうまく制御できる点でクリアでき、クラウドサービスならではの導入時のハードルの低さも評価されています。
パフォーマンスの高いリモートワークの実現
株式会社白組は、CM・映画・ゲーム映像の企画・制作を⾏う映像制作会社です。映像制作に必要なハイスペックなPCや演算用サーバーをリモートで活用するため、リモートデスクトップアプリ『Splashtop』を導入しました。緊急事態宣言を受けてリモートワークが急務となったことや、Splashtopの高いパフォーマンスとスタッフからの好反応が導入決定の理由です。
以前は出社が必須だったCG制作作業もリモート作業が可能となり、スタッフの生産性が向上しました。通勤時間の削減による働きやすさが反映され、アンケートでも「リモートワークを継続したい」という回答が多く集まっています。また、リモートワークの定着により遠隔地に住むアーティストの雇用にもつながったそうです。
快適なリモートワーク環境の構築をご検討中であれば、リモートデスクトップの導入に際して費用や難しいセットアップは一切不要の『Splashtop Remote Access』をぜひご利用ください。
VRを活用した「次世代採用」プロジェクト
伊藤忠インタラクティブ株式会社では、2022年度新卒内定者向けにおこなったワークショップで、VR空間構築サービスである『VR VENUE』を活用しました。
伊藤忠本社のエントランス、執務室を、就活生や社員が来訪できる空間としてVR化し、就活生らが自由にオフィス訪問できるように工夫しています。彼らと社員とのマッチングプラットフォームも構築しました。バーチャルオフィスならではの、アバターによるハードルを下げたコミュニケーションで、忖度のない意見交換をおこなうことで、就業後のミスマッチを事前に下げることを目指しています。
クラウドオフィスを実現・サポートするためのツールの選定方法
前章でご紹介したように、クラウドオフィスを導入するには、リモートワークをサポートするツールを活用するとスムーズです。ツールを選定する際には次のポイントを考慮しましょう。
・機能性の充実度
・社員のステータスやプライバシー管理機能
・PCにかかる負荷の大きさ
詳しく解説します。
機能性の充実度
まず、ツールの機能性が充実しているかを確認しましょう。従業員のリモートワークをサポートするためには、ファイル共有やビデオ会議、データ管理などの機能が必要です。
機能が豊富なだけではなく、管理のしやすさや使いやすさも選定時のチェックポイントです。ツール選定時には、業務に必要な機能が網羅されているかを確認し、実際にトライアルで利用してみましょう。
社員のステータスやプライバシー管理機能
社員のステータス管理やプライバシーの保護は、ツール選定時に考慮すべき要素です。在席状況やタスクの進行度をリアルタイムで確認できる機能は、リモートワークにおけるコミュニケーションの効率化に役立ちます。
個人の作業環境や情報へのアクセス管理機能は、社員のプライバシーを保護し、セキュリティリスクを低減させるためにも必須です。選定時には、管理機能がどのように実装されているかを調査し、社員の働きやすさと情報保護のバランスを考慮する必要があります。
PCにかかる負荷の大きさ
ツールの選定時には、PCにかかる負荷の大きさも考慮しましょう。たとえば、グラフィックデザインやビデオ編集といった作業をリモートでおこなう場合、PCに大きな負荷がかかります。
パソコン内のCPUに負荷がかかると処理速度が遅くなり、作業効率が大幅に低下するおそれがあります。そのため、社内で利用しているPCのスペックでも利用できるツールを選定することが大切です。
業務効率を下げない快適な操作性があるか、実際の作業現場にて試す必要があります。
クラウドオフィスの導入をサポートする『Splashtop Remote Support』
クラウドオフィスの導入には、社員のリモートワークをサポートする『Splashtop Remote Support』の活用をご検討ください。Splashtop Remote Supportはシンプルな操作性と高度なセキュリティを備えたリモートサポートツールです。リモートワーク環境下でも、管理者が遠隔地からでも安全にデバイスの管理やトラブルシューティングを行うことが可能となります。
ユーザーの困りごとを画面共有で瞬時に解決
『Splashtop Remote Support』は、画面共有機能を通じてユーザーの困りごとに即座に対応できます。遠隔地からのサポートを実現できるため、これまで対面のみの技術支援をおこなっていた企業に最適です。
音声通話機能を組み合わせ、ユーザー間のコミュニケーションを円滑におこないながらサポートを実施できます。問題解決の速度を大幅に上げられるため、クラウドオフィス環境におけるユーザーの満足度向上を目指す企業にも向いています。
堅牢なセキュリティ体制
『Splashtop SOS』は高度なセキュリティ技術を採用し、SSL/TLS による通信の暗号化や2段階認証、デバイス認証などの機能を実装しています。
リモートサポートの過程で発生する可能性のあるセキュリティリスクに対処し、企業やユーザーの大切な情報を保護するため安心です。リスクマネジメントの世界基準でもあるSOC2準拠の内部統制監査をクリアしており、セキュリティが高いレベルで保たれていることを示しています。
ハイブリッドワークからクラウドオフィスハイブリッド、そして個別最適な働き方へ
Apple社をはじめとする一部企業ではオフィス回帰の動きがあるものの、バーチャルオフィス出社と通常出社の「ハイブリッド出社」も選択肢の一つとして定着しつつあるようです。
今後ますます、会社で規定された働き方ではなく、個別最適な働き方の選択が可能となっていくでしょう。そして働き方の選択肢が今よりも格段に増えることが予想されます。
選択肢の増加は、自分がどう働きたいか、どう暮らしたいかが問われる世の中になることを意味します。バーチャルオフィスは、そのためのひとつのツールでありながら、その技術や領域は日々進化しています。バーチャルオフィスだからこそできること、それはもしかするとリアルでは実現できないような世界かもしれませんし、バーチャルながらリアルを楽しめる世界かもしれません。
クラウドオフィスとあわせてサポート環境を整えることで、リモートワークを含むハイブリッドワーク環境も強化されるでしょう。技術サポートを迅速かつ効率的におこなえるようになるほか、個々の従業員にとっても最適な働き方を選択でき、満足度向上につながるでしょう。
ぜひ本記事を参考にして、リモートサポートツールSplashtop Remote Supportの導入をご検討ください。