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スプラッシュトップは、新しいオフィスの内装において環境に配慮した取り組みを行いたいと考え、その一環として、余剰資材の再利用とリサイクルについて、HUB&STOCK株式会社代表の豊田 訓平氏に相談しました。

HUB&STOCK株式会社

余ってしまった建築資材のリユース・アウトレット販売を通して、廃棄コストの削減と建築資材の循環を促進し、建築資材ロス問題」の解決を目指す。社名には、「ストック(材料)を繋ぐ『ハブ』のような存在になりたい」という思いが込められている。

余剰資材とは

余剰資材とは、現場で余ってしまったもの、また一次流通の中で、誤発注や返品、発注品の仕様変更など、様々な理由で使用用途がなくなり、品質に問題がない状態で余ってしまった建材のこと。そして、年間40万トンもの余剰資材が廃棄されていると言います。

また、豊田氏によれば、建設業界では余剰資材の再資源化率が他の分野と比べて低いそうです。木材や金属、アスファルトなどは再利用やリサイクルが進んでおり、その再資源化率はほぼ100%に近いとのこと。しかし、建設混合廃棄物というカテゴリーの中では、再利用はまだまだ進んでいないそうです。

そこで、私たちは、そうした余剰資材を再利用することによる環境へのメリットを考えることにしました。

余剰資材について知る

──「リサイクルすれば良いんじゃない?」と考える人も多いと思いますが、余剰資材を利用することで、どのようなメリットがありますか?

豊田氏:サーキュラーエコノミー[i]の観点からすると、余剰資材を現場でそのまま再利用することが最も合理的で、エネルギーコストも削減できると思います。実際に、リサイクルする時、どのような流れになるかを考えてみましょう。まず、現場で建材が余ります。次に、それを廃品回収会社業者が運び、中間処理施設まで運んで解体・分別します。そして、二次、三次加工で原料に戻して、その原料をメーカーに持ち込んで製造し、次はアッセンブルの拠点、問屋さんに持って行って、ようやく現場に運ばれて、使用されます。

余っているものをそのまま使用できるなら、そのまま現場で使った方が移動も工場の生産コストエネルギーもまあ少なくて済みますよね。

──本来の目的のままに使うということですよね、とてもシンプルな話ですね。

豊田氏:そうです。業界出身の自分でも、最も理にかなった方法だと思います。

──もし余剰資材が再利用されなかったら、どのように廃棄されるのですか。

豊田氏:燃やされるか埋め立てられるという感じですね。理論的には、全国で年間40万トンもの余剰資材が廃棄されています。 40万トンがどの位かというと、部屋の床をリノベーションする場合、その床材分の重量で換算すると、6畳程度の部屋だと400万室分が捨てられているということです。

最強のサステナブル建材とは?

──弊社の新オフィスの内装資材について、どのようなご提案をされましたか?

豊田氏:まず、床材に関するご要望がありました。私たちが提案したのは、デザインコードに合わせた環境に優しい素材の利用です。その中でも特に注目したのがコルクです。

──コルクを選んだ理由を教えてください。

豊田氏:コルクは木の皮で、木を切ることなく採取できるため、森を壊さずに利用できる「最強のサステナブル建材」です。コルクは9年の成長周期を持ち、7年周期で採取できるものあります。また、ワインの栓やフローリングなど、用途も多岐にわたります。さらに、コルクは水に強く、足触りも良いため、従業員のための環境作りにも役立つと思います。このような特性から、コルクはスプラッシュトップの新オフィスの空間デザインに最適だと考えて提案しました。

また、環境に配慮した空間づくりを考える場合、空間自体がサステナブルなものとして、スタッフや訪問者に説明できるような素材を選ぶこともポイントだと思います。これにより、オフィスは自然と環境意識を高める場所になります。

──日常的にコルクが目に入ることで、自然と環境への意識も高まりそうですよね。

豊田氏:そうですね。事例としては、もっとビジネスライクに環境意識を取り入れる試みもありますが、実際にその空間の中に環境に優しい素材が存在することで、自然と環境を大切にする意識が醸成されていきます。もちろん、これらは即効性があるわけではありませんが、強制されることなく徐々に環境への意識を高め、サステナビリティについてのリテラシーを向上させていくための一環になると思います。まずは身近なところから始めて、大切にしていくことが重要です。そのためにも、私たちの役目は、サステナビリティを身近な存在にすることにもあると考えています。

  • SDGsに取り組む上で、何かを削減することや環境に良いものを取り入れることから始めると思いがちですが、考え方を変えていく環境を用意することも大切だと感じました。

スプラッシュトップ株式会社の新オフィス内装プロジェクトは、リモート技術による環境問題への貢献だけでなく、より広い視点で環境に配慮した経営の実現を目指します。日々、目に触れる内装を通して従業員の環境保護への意識を高めるとともに、サステナビリティを組織全体の価値観に組み込むことの重要性を認識し、身近な取り組みから、全体としての持続可能な未来につながっていくことを願っています。

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[i] 循環経済(サーキュラーエコノミー)とは、従来の3Rの取組に加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値を生み出す経済活動であり、資源・製品の価値の最大化、資源消費の最小化、廃棄物の発生抑止等を目指すものです。https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/r03/html/hj21010202.html

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