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令和の新社会人は、学生時代にコロナ禍を経験したこともあり、従来の新人とは考え方や価値観が異なるケースがあります。彼らの特徴を理解せずに新人教育を行うと、円滑なコミュニケーションが困難となったり、早期退職につながったりするおそれがあるのです。

本記事では、新社会人の特徴や取り巻く背景、育成のポイントについて解説します。また、DX推進を意識した研修事例も紹介します。新社会人への接し方や研修の方法を理解し、社内全体の業務改善を図りたい方は、ぜひ最後まで記事をご覧ください。

なお、本記事で紹介する新社会人の特徴は、幅広い調査やデータに基づく傾向であり、すべての人に当てはまるわけではありません。新社会人一人ひとりを尊重し、適切な態度で接していくことが、何よりも重要な要素になります。

Z世代の新社会人を取り巻く背景

Z世代の新社会人は、学生時代にコロナ禍を経験しました。この特殊な環境は、彼らの価値観や考え方に影響を与え、従来の新社会人とは異なる働き方の傾向を生み出しました。

例として、次のような変化があげられます。

●デジタル適応力の向上(※1)
入学式や授業がオンラインで実施されたことで、自然とデジタル技術への適応力が身についた

● リモートワークへの親和性(※2)
企業のリモートワーク導入が加速し、多くの新社会人がリモートワークを希望している

● コミュニケーション様式の変化(※1)
オンラインコミュニケーションでは細かいニュアンスが伝わりにくく、対面コミュニケーションの重要性が再認識された ● 柔軟な働き方への志向(※3)

テレワークや柔軟な勤務体制を提供する企業に魅力を感じる傾向が強い このような新社会人の背景や傾向を理解して、適切なサポートをすることが重要です。彼らの強みを活かしつつ、不足している部分を補う育成プログラムの構築が求められます。

Z世代の新社会人の特徴7選

Z世代の新社会人の特徴を7つ紹介します。

● 特徴1.あらゆるデジタル機器を使いこなす
● 特徴2.情報処理能力が高い
● 特徴3.物事に正解を求める
● 特徴4.自分の意見を大切にする
● 特徴5.多様性を受け入れやすい
● 特徴6.自己成長と評価のバランスを重視する
● 特徴7.個人的な問題に慎重に対応する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

特徴1.あらゆるデジタル機器を使いこなす

現在の新社会人は、物心ついたときからパソコンやインターネットなどのデジタル機器に慣れ親しんできました。そのため、Z世代は「デジタルネイティブ」(※1)とも呼ばれています。

【デジタルネイティブ世代の特徴】

1. スマートフォンやSNSなどのIT環境に囲まれて育っている
2. デジタル機器の操作に非常に長けている
3. 新しいデジタルツールの習得が早い

企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進において、デジタルネイティブ世代の視点や発想は不可欠です。現代のビジネスでは、以下の点が重要視されています。

● さまざまなデジタルツールを活用した業務効率化
● 新たなビジネスモデルの創出
● 急速に変化するビジネス環境への適応

激変するビジネスシーンに対応していくためには、新社会人の意見も取り入れていくことが大切でしょう。

特徴2.情報処理能力が高い

Z世代の新社会人は、インターネットを通じて膨大な量の情報に触れてきたため、情報処理能力が非常に高いといわれています(※4)。短時間で多くの情報を収集・分析でき、効率的に仕事を進められるでしょう。

また、複数のツールを同時に活用することにも慣れており、状況に応じて適切な判断が可能です。たとえば、動画を倍速にして数多く観るといった「タイムパフォーマンス」を求める傾向が強く(※5)、効率的に物事を処理する発想が身についています。

特徴3.物事に正解を求める

Z世代には、物事に正解を求める「リアリスト」が多いことも特徴です。疑問があればすぐにインターネットで検索して解決してきたため、物事にはすべて正解があると思う傾向があ

るようです。仕事においても、明確な指示や目標がないと不安を感じてしまうかもしれません(※7)。

また、結果が出せなかった場合、自分のやり方に問題があったと考えてしまうケースも見られます。その場合は、なぜ結果が出なかったのかを分析し、適切なサポートを行いましょう。 特徴4.自分の意見を大切にする

新社会人は、個性を重視されて育ってきており、自分の意見を大切にする傾向があります(※6)。そのため、上司や先輩の指示に従うだけではなく、積極的に意見を提案したり、議論に参加できたりします。

一方で、もちろん自発的に行動するよりも相手のアクションを待つタイプの人もいます。その場合は、仕事の指示を出す際は、目的や内容を丁寧に説明し、意見をすり合わせることを意識するとスムーズに進められるでしょう。

特徴4.自分の意見を大切にする

新社会人は、個性を重視されて育ってきており、自分の意見を大切にする傾向があります(※6)。そのため、上司や先輩の指示に従うだけではなく、積極的に意見を提案したり、議論に参加できたりします。

一方で、もちろん自発的に行動するよりも相手のアクションを待つタイプの人もいます。その場合は、仕事の指示を出す際は、目的や内容を丁寧に説明し、意見をすり合わせることを意識するとスムーズに進められるでしょう。

特徴5.多様性を受け入れやすい

多様な価値観や文化をもつ人々と接してきたため、多様性を受け入れられる点もZ世代の新社会人の特徴です(※8)。

インターネットを通じて性別や人種など、さまざまなバックグラウンドをもつ人々の生活や価値観に多く触れてきました。そのため、多様な価値観を尊重することが当たり前となっているのです。 特徴6.自己成長と評価のバランスを重視することが当たり前になっているのです。

特徴6.自己成長と評価のバランスを重視する

Z世代の新社会人は、自己成長と周囲からの評価のバランスを重視する傾向があります(※9)。

そのため、挑戦や批評的なフィードバックに慎重な姿勢を示すケースもみられます。ただし、これは彼らが質の高い仕事を目指し、慎重に行動する表れともいえるでしょう。

新社会人の成長をサポートするには、個々の特性に合わせたアプローチが効果的です。たとえば、大勢の前ではなく個別の場でフィードバックする・具体的な成果を褒める・段階的に挑戦する機会を与えるなどが有効な方法として挙げられます。

こうした取り組みにより、新社会人の潜在能力を最大限に引き出し、職場全体の活性化につながることが期待できるでしょう。

特徴7.個人的な問題に慎重に対応する Z世代は周囲への配慮から、個人的な課題や疑問を慎重に扱う傾向が見られます(※10)。

たとえば、研修中の質問時間では発言が少ない一方、休憩時間に個別の質問が増えることがあります。これは、「全体の時間を大切にしたい」という思いから生まれる行動ともいえるでしょう。。

新社会人を育成する3つのポイント

Z世代の新社会人を育成する3つのポイントは、次のとおりです。

● ポイント1.個々の価値観を尊重する

● ポイント2.良いところやできたところを積極的に褒める

● ポイント3.オープンなコミュニケーションを心がける

新社会人と適切なコミュニケーションを取り、会社を支える人材として育成したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

ポイント1.個々の価値観を尊重する

Z世代の新社会人に対しては、個別のニーズやや価値観を尊重することが重要です(※7)。Z世代は多様性を受け入れ、自分の意見を大切にする傾向があります。彼らが快適に働くためには、価値観を理解し、尊重する職場環境が必要です。

たとえば、リモートワークを希望する社員には柔軟な勤務体制を提供するとよいでしょう。自己成長を求める社員には、適切な研修やキャリアアップの機会を提供することが効果的です。

個々の価値観を尊重することで、Z世代の新社会人にとって安心して働ける環境が整い、パフォーマンス向上が期待できます。

ポイント2.良いところやできたところを具体的に褒める

Z世代は承認欲求が高いともいわれていますが、大勢の前で褒められるよりも個別に褒められることを好む傾向があります(※11)。また「このプレゼン資料の構成がわかりやすかった」のように、具体的に伝えることが重要です。

リスク回避の傾向が強い新社会人には、失敗を避けつつコツコツと経験を積む機会を与え、誰かに貢献できる場を提供するとよいでしょう。小さな成功体験の積み重ねが成長につながり、モチベーションを高めます。

ポイント3.オープンなコミュニケーションを心がける

新社会人は、意見や考えを素直に伝えるオープンなコミュニケーションを求める(※12)ため、透明性のある対話を意識することが重要です。上司や同僚との風通しが良いと感じれば、安心感を抱き、意見や質問をしやすくなります。

たとえば、定期的な1対1のミーティングを設け、オンラインでも気軽に相談できる環境を整えることが効果的です。オープンチャットやビデオ会議を活用して、情報共有を促進するとよいでしょう。

コミュニケーションを意識することで、Z世代の新社会人が安心して働ける環境が整い、組織全体の協力体制が強化されます。

DX推進を視野に入れた新人研修

新社会人の研修はDX推進を視野に置くとよいでしょう。社内のDX推進は新社会人が働きやすい環境をつくるために欠かせないからです(※13)。

デジタル技術に精通している新社会人でも、業務に特化したDXスキルの習得により業務効率が向上し、ストレスが軽減されます。また、企業内のDXツールやシステムの使い方を学べば、プロジェクトの進行がスムーズになるでしょう。データ分析やAIの基礎を学ぶことで、業務の自動化や効率化を実現可能です。

DX研修の実施により、新社会人はスムーズに業務をこなし、働きやすい環境を築けるようになります。その結果、社内全体のITリテラシーの向上やDX推進につながります。

新社会人はデジタル分野に強い傾向があるため、研修を通じてデジタル分野をリードする人材として成長することも期待できるのです。

新社会人にDX研修を取り入れた事例2選

新社会人にDX研修を取り入れた事例を2つ紹介します。

● お客様から信頼される人材を1年かけて育成:株式会社アイネット
● 情報系人材育成のために自社大学を設立:ダイキン工業株式会社

新社会人向けにDX研修の実施を検討している方は、参考にしてみてください

お客様から信頼される人材を1年かけて育成:株式会社アイネット

クラウドサービスをワンストップで展開する株式会社アイネットは、新入社員向けにDX研修を実施しています。研修の目的は、新入社員がDXの必要性や新規ビジネス企画の基礎を学ぶことです。また、新規ビジネス提案研修では、問題解決のアプローチ方法を学び、新規ビジネスのアイデアを創出するプロセスを体験します。

研修の内容は、問題解決アプローチや新規ビジネスのアイデア創出など、実践に役立つものばかりです。新入社員からの評価も高く、実際の提案にも顧客体験やデータ活用が取り入れられました。

アイネットでは、新入社員に対し約1か月間の基礎研修を実施したあと、システムエンジニア・データセンターエンジニア・営業の3つの職種別に専門的な研修を行っています。また、配属後も先輩社員がマスターとしてつき、1年間サポートします。今後も、各職種に対応したDX研修の強化や、新入社員の成長を支援していく予定です。

参考:アイネットが取り組む新入社員向けDX研修 – DXと新規ビジネス企画を学ぶ研修を実施|株式会社AVILEN

情報系人材育成のために自社大学を設立:ダイキン工業株式会社

空調設備や関連技術の開発・製造・販売を行うダイキン工業株式会社は、2017年に企業内大学「ダイキン情報技術大学(DICT)」を設立しました。DICTの目的は、次世代を担う情報系人材の育成です。

DICTでは、新入社員から選抜された人材を対象に、2年間の徹底したICT教育を実施します。修了後は、営業・開発・製造などの各部署に配属され、実務経験を積みながらスキルアップを図ります。

DICT修了生の一部は、技術力を高めるために、外部の優れたベンチャー企業に出向するプログラムにも参加しました。出向先では最新の技術を学び、迅速な意思決定スピードや実践的なスキルを習得。ダイキンに戻った修了生は、経験を活かして社内での業務改善やデジタル人材育成に貢献しています。

ダイキンは、DICTと出向プログラムを継続的に運用し、高度なDX人材を育成し続けることを目指しています。

参考:社内大学で学んだ優秀な新人を出向させる“ダイキン流データ活用人材育成術”とは?|ダイキン工業株式会社 リモートワークを希望する新社

リモートワークを希望する新社会人におすすめのツール

スプラッシュトップ株式会社では、リモートアクセスやリモートサポートに特化したツールを提供しています。働き方が多様化し、リモートワークを希望する新社会人や、環境が整えば利用したいと考えている新社会人もいるでしょう。

『Splashtop Remote Access』は、社員が社外から安全に社内システムへアクセスできるようにする、企業向けのリモートアクセスツールです。

『Splashtop Remote Support』は、遠隔サポートツールで、担当者が従業員のデバイスを遠隔操作し、問題を解決できます。たとえば、新社会人がリモートワークで困ったことがあったとき、先輩社員がSplashtop Remote Supportを利用してサポート可能です。

これらのツールを活用することで、新社会人が働きやすい環境づくりを実現できます。Splashtop Remote AccessやSplashtop Remote Supportに興味がある方は、チェックしてみてください。

新社会人の特徴を理解して適切な対応をしよう

令和の新社会人は、学生時代にコロナ禍を経験したことにより、これまでの新社会人とは考え方や価値観が異なります。そのため、従来のやり方で社員研修を行うと、違和感が出てくるかもしれません。

「Z世代」とも呼ばれる新社会人の主な特徴は、デジタルネイティブである一方、コミュニケーションが不足していることです。しかし、特徴はあくまで一般的なものであるため「Z世代」と一括りにせず、傾向を理解しつつ新社会人一人ひとりを尊重し、適時役立てることが何よりも重要です。新社会人だけではなく、社員全員が働きやすい環境づくりも検討しましょう。

リモートワークを希望する社員には、スプラッシュトップ株式会社が提供するさまざまなサービスが役に立ちます。サービスや機能、料金に関して詳しく知りたい方は、ぜひ下記よりお気軽にお問い合わせください。

参考:

※1:データから紐解くデジタルネイティブ世代の特性と生かし方|アデコ株式会社
※2:就職活動で、「出社かテレワークか」を意識する学生が6割超。「働き方の選択肢が多い企業は魅力を感じる」の声。希望の勤務スタイルは「出社を基本とし、週に数日テレワーク」が最多/2024年卒対象アンケート | 株式会社学情のプレスリリース
※3:新型コロナ後の企業選びの軸、第1位は「テレワーク・副業など希望の働き方」|マイナビニュース
※4:Z世代のイマ 番外編~デジタルネイティブ世代の情報収集・SNS利用~ | Y世代・X世代と比較すると 世代ならではのギャップが浮き彫りに | アンケート調査・マーケティングリサーチなら日本インフォメーション
※5:2024年度 新入社員の意識調査の結果について~ タイパ重視の Z 世代 ~|西日本フィナンシャルホールディングス
※6:2023年 新入社員意識調査【前編】世代である新入社員の定着・早期立ち上がりに向けて|リクルート・マネジメント・ソリューションズ
※7:2023年 新入社員意識調査【後編】「個」の尊重へ向かうZ世代を生かすための鍵 |リクルート・マネジメント・ソリューションズ
※8:“D&Iに積極的な企業”に好印象を持つZ世代は9割以上。企業選びで「多様性が認められる働き方」を重視する理由とは|HRpro
※9:令和の新入社員は他の世代と比べて「失敗を恐れる気持ちが強い」「他人からの評価が気になる」人が多い?|みんなのライフハック@DIME
※10:人事・研修担当者のためのコロナ禍における新入社員研修のヒント|株式会社リロクラブ
※11:Z世代の承認欲求に関する意識調査 | 株式会社SHIBUYA109エンタテイメントのプレスリリース|PRTIMES
※12:Z世代の「コミュニケーション」事情を深堀り【はたらきかたラボ】|マイナビ転職
※13:「デジタルネイティブなZ世代はデジタル機器が強い」は幻想かも!? PCを使えない人たち|Pakuten infoseek News

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